御朱印は、神社やお寺にお参りしたしるしとして受けていただく、朱色の印と墨書きの一枚です。ご自身の御朱印帳に集めていかれる方も多くいらっしゃいます。
靖國神社では、通常の御朱印のほかに、春、夏、秋、冬(お正月)の季節ごとの限定の朱印を年に4回ご用意しています。そのたびに絵柄が変わります。
くだんびより
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9月に入って、靖國神社の季節限定書き置き御朱印も秋のものに変わりました。今年は切り絵と刺繍の2種類。どちらも「書き置き」といって、あらかじめ和紙に刷られた一枚をお渡しする形です。その場で御朱印帳に書くのではなく、受け取った一枚を、ご自身で御朱印帳に貼っていただきます。日付は、その場で手書きしてもらえます。
9月1日から数量限定で頒布が始まっていて、用意された数に達し次第終わります。期間はおおむね3か月の見込みだそうです。
実はこの一枚一枚、選ばれた絵にはちゃんと理由があります。今回は御朱印を手がける担当の方に、その理由を伺ってきました。
最初に言います。この記事の写真で見るよりも、絶対にご自身の目で見てください…!切り絵や刺繍の凹凸がとっても美しいです。
御朱印は、神社やお寺にお参りしたしるしとして受けていただく、朱色の印と墨書きの一枚です。ご自身の御朱印帳に集めていかれる方も多くいらっしゃいます。
靖國神社では、通常の御朱印のほかに、春、夏、秋、冬(お正月)の季節ごとの限定の朱印を年に4回ご用意しています。そのたびに絵柄が変わります。
切り絵御朱印の令和8年の年間テーマは「錦絵」なのだそうです。
錦絵とは、江戸時代の中ごろに生まれた、多色刷りの浮世絵版画のことです。明治に入ってからも、名所や街のできごとを伝える絵として親しまれていました。靖國神社を描いた錦絵は数多く残っているのだそうです。
この秋のモチーフに選ばれたのは「競馬」です。実は靖國神社では、かつて本当に競馬が行われていました。明治3年(1870年)から明治31年(1898年)まで、約30年にわたって、例大祭にあわせて外苑を馬が走っていたのです。まだ「靖國神社」ではなく、「東京招魂社」と呼ばれていたころに始まった行事でした。
さかのぼれば、東京招魂社が建てられた明治2年(1869年)の鎮座祭では相撲が奉納され、明治4年(1871年)にはフランスから来たサーカス一座の興行もありました。おまつりのたびに人が押し寄せる、賑やかな場所だったようです。その競馬の様子を描いた錦絵も残っていて、それをもとにイラストを描き起こしてもらったといいます。
令和8年は、午年。馬の絵を出すなら、今年をおいてほかにありません。
ちなみにこの秋は、遊就館でも馬をめぐる特別展「いななき」を開いています。こちらも期間限定。午年の今年は、境内のあちこちで馬に出会えます。展示のようすは連載「いななき」第一回でもご紹介しています。
切り絵の御朱印は、年ごとにテーマが変わります。去年とも、来年とも違う一枚になる。それも、この一枚を集める楽しさのひとつだと思います。
実はこの秋のデザイン、最初からこの絵に決まっていたわけではありません。どの絵なら神社の魅力が伝わるかを何度も話し合ったそうです。そのうえで「せっかくの午年だから」と、この馬の絵に落ち着いたといいます。案がまとまったのは、5月から6月ごろ。一枚の絵柄が決まるまでに、長い時間と話し合いが重ねられているのだそうです。
切り絵はレーザーカットで精密に切られ、細部までこだわりがうかがえます。手に取ると、陰影や立体感がぐっと伝わってきます。「貼ってしまうのがもったいない」という声が出るのも、うなずける話です。
刺繍の御朱印の生地には、美濃和紙が使われています。毎回、上に社殿や鳥居、下に季節の絵を配置する形がベースとなっています。今回の秋は、中央上に金と赤の御社紋、その左に雲のかかった月。下には九段下駅側からもよく見える大鳥居に白鳩がとまっている様子と、参道のイチョウ、境内のもみじを重ねた「お月見」の情景になっています。
ちなみにこの白鳩、絵の中だけの話ではありません。境内には白鳩の鳩舎があって、約200羽が飼育されています。1万羽に1羽しか生まれないという、真っ白な伝書鳩なのだそうです。お参りのときにふと見上げると、本当に白い鳩が飛んでいます。
夏の絵柄の中には、団扇と朝顔、青もみじが描かれていました。季節ごとに集めている方には、こうした絵柄で季節の移り変わりを感じていただくことも見どころのひとつになりそうです。
担当者の毎年のこだわりは、同じ絵柄を繰り返さないようにしながら、いかに神社の見所や魅力を伝えるか、ということ。過去のシーズンのデザインを見返しながら、新しい構図を考えているそうです。
切り絵にも負けじと刺繍も人気が高いとのこと。凹凸のある質感と、色合いの華やかさやかわいさが理由ではないか、という声もありました。
一枚の御朱印は、神職の方々が「今年は何を伝えようか」と一つひとつ考えるところから始まります。そこに切り絵・刺繍それぞれの担当者やデザイナーが加わって、相談を重ねながら形になっていきます。受け取る一枚には、その時間と想いがこもっています。
御朱印を受けられるのは、境内の朱印所です。初穂料はどちらも1,000円。午前9時から午後4時45分までの間にお立ち寄りください。お参りの作法から知りたい方は、初めての靖國神社参拝へ。知っておきたいお参りの作法もあわせてどうぞ。
数量限定のため、頒布期間中でも受付を終えることがあります。気になる方は、早めのお参りを。
絵柄のもとになった景色は、実は境内のあちこちにあります。参道のイチョウ、大鳥居にとまる鳩、色づきはじめたもみじ。御朱印を受けたあと、少し遠回りして探してみると、絵と同じ景色に出会えるかもしれません。
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