くだんびより

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靖國神社について知りたい24のこと

靖國神社の拝殿

戦後80年が過ぎ、戦争を直接知る方は少なくなりました。靖國神社の名前をニュースなどで耳にすることはあっても、どのような場所で、どのような方々がおまつりされているのかを、まとめて知る機会は限られています。

このQ&Aでは、靖國神社についてよく耳にする疑問を24の問いにまとめ、事実や歴史的な経緯にもとづいて、お答えしています。

お参りの作法のような身近なことから、おまつりしている神さまのこと、歴史や制度に関わることまで、4つの章に分けて並べています。どの問いからでも、気になるところからお読みいただけます。

※この文章は靖國神社にて作成・監修し、掲載しています。また、内容は令和8年10月時点のものです。

01 なにかとニュースで取り上げられており、近づきにくい印象があります。

靖國神社は、どなたでもお参りいただける場所です。

ビルの立ち並ぶ都心の中にありながら、四季折々の豊かな自然に囲まれていて、散策を楽しみながら、手を合わせてお参りする方が多くいらっしゃいます。

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靖國神社には年間約500万人の方がお参りされており、平日でも多くの方が来られています。国籍や年齢を問わず、近隣にお住まいの方、国内外から観光で訪れた方など、さまざまな方が手を合わせています。

とくに、春には桜が、秋には銀杏が色づき、都内でも有数の名所です。お参りはもちろん、外苑がいえんのカフェで景色を楽しみながらおしゃべりをしたり、お弁当を食べたりと、それぞれの時間を過ごされているようです。

02 靖國神社は他の神社やお寺と何が違うのですか?

靖國神社は、初詣などでお参りする伊勢の神宮や明治神宮、地元の神社などと同じ神道の「神社」です。

靖國神社の特徴は、おまつりしている神さまが、戦時下において、国の命令により行動した結果、亡くなった戦歿者せんぼつしゃであるということです。

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神社は神道の施設でご祭神ごさいじん(神さま)をおまつりし、お寺は仏教の施設でご本尊(仏像など)を安置しています。

神社にはそれぞれおまつりしている神さまがいて、その神社の性格を決めています。たとえば、伊勢の神宮には天照大御神あまてらすおおみかみが、明治神宮には明治天皇と昭憲皇太后しょうけんこうたいごうが、おまつりされています。靖國神社には、戦時下において、国の命令により行動した結果、亡くなった246万6千余柱よはしら(※神さまは「柱」と数えます)の戦歿者がおまつりされています。

なお神社には、「神宮」「大社」「宮」「社」など、さまざまな名称があります。「神宮」は特に天皇や皇室にゆかりの深い神社に用いられる名称で、「宮」は皇族や特定の功績のある方をおまつりする神社に多く用いられます。

03 私は無宗教ですが、行ってもいいのですか?

靖國神社はどのような信仰をお持ちの方でも、また特定の信仰をお持ちでない方でも、お参りいただけます。

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国のために亡くなった方に敬意を表すことは、宗教や信仰を超えた自然な行為です。靖國神社は神道の神社ですが、実際に、仏教・キリスト教・イスラム教など、他の宗教家の方や、他の宗教を信仰する国内外の要人も訪れています。

04 靖國神社を訪れるにあたり、予約や許可は必要ですか?

靖國神社は朝6時に開門しており、開門時間中は自由にお参りできます。予約や許可は必要ありません。

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お賽銭箱さいせんばこの前でのお参りでなく、本殿での参拝(正式参拝)やご祈願参拝をご希望の場合も、個人やご家族など少人数であれば予約は不要です。団体での参拝の際には事前のお申し込みをお願いしています。

➡ 正式参拝のご案内

05 観光旅行や散歩の途中に立ち寄ってもいいですか?不謹慎ではありませんか?

散歩やおでかけの際にもぜひ、お参りください。近隣にお住まいの方や近くに職場のある方がお仕事の合間にお参りされています。また、境内けいだいのベンチでお昼ご飯を食べている方もいらっしゃいます。

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靖國神社の境内には、四季折々の自然が楽しめる庭園や、歴史を学べる遊就館ゆうしゅうかん(ミュージアム)もあり、お参りだけでなくさまざまな過ごし方ができます。お正月の初詣に始まり、春には桜、夏にはみたままつり、秋には銀杏並木と、季節ごとに多くの方がお越しになります。7月のみたままつりは、夏の東京の風物詩となっています。そのほか、奉納相撲ほうのうずもう(4月)や多彩な奉納芸能なども年間を通して行われています。

靖國神社では、境内で競馬やサーカスが行われていたこともありました。かしこまった場所というイメージがあるかもしれませんが、老若男女が集まり、にぎわう場所だったのです。

06 正装で行かないといけないですか?守らないといけない作法はあるのですか?不謹慎と怒られないか心配です

服装に決まりはありません。普段着でお参りされても問題ありません。

神社でのお参りの作法として、二拝二拍手一拝にはいにはくしゅいっぱいでお参りください。

➡ 二拝二拍手一拝の動画

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お賽銭箱さいせんばこの前でのお参りだけでなく、本殿に上がって参拝することもできます。

本殿での参拝(正式参拝)では、神職のご案内のもと、お祓いを受けてから本殿にお進みいただきます。ご祭神ごさいじんの間近で手を合わせることのできる、特別な時間です。

➡ 正式参拝のご案内

正式参拝をされる場合は、ご祭神の間近でお参りすることになります。ご祭神の間近であることを踏まえますと、たとえば、お知りあいのお宅を訪問する時の服装を選ぶようなお気持ちで準備されて、お参りされるとよいでしょう。

07 ほかの神社と同じように、お願い事をしてもいいのですか?

ほかの神社と同じように、思い思いのお願い事もできます。

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境内けいだいの授与所じゅよしょには、神札しんさつをはじめ、身体健全や交通安全、学業成就、安産などさまざまなお守りをご用意しています。また、本殿では家内安全や厄除やくよけなどの祈願、初宮詣はつみやもうで、七五三詣しちごさんもうでなども、お申し込みいただけます。

靖國神社には、246万6千あまりの方々が神さまとしておまつりされています。その中には、スポーツ選手として活躍した方もいれば、学業に励んでいた学生、医師、教師、農家、職人など、さまざまな背景の方々がいらっしゃいます。

神さまへの感謝の気持ちとともに、みなさまそれぞれの願い事をお伝えください。

08 靖國神社は、どうして、いつできたのですか?

靖國神社は、明治2(1869)年、東京・九段坂上くだんざかうえの地に、「招魂社しょうこんしゃ」として創建され、明治12(1879)年に「靖國神社」と改称されました。

その目的は、明治維新の先駆けとなって亡くなった方と戊辰戦争ぼしんせんそう以降の戦歿者せんぼつしゃを慰霊いれいし、感謝と敬意を表することです。

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明治元(1868)年5月、政府は明治維新の先駆けとして亡くなった方々と戊辰戦争以降の戦歿者の名を後世に伝え慰霊する方針を発表し、明治2(1869)年6月29日に戊辰戦争の戦歿者をおまつりする「招魂社」が東京九段(東京都千代田区九段北)に創建され、明治12(1879)年6月4日「靖國神社」と改称されました。

明治維新の先駆けとなった方々(維新の志士)は、京都東山において、出身地の各藩により建てられた「招魂社」におまつりされ、靖國神社には明治16(1883)年よりおまつりされています。

全国各地にもそれぞれの地域の戦歿者などをおまつりする「招魂社」が建てられ、昭和14(1939)年に各県を代表する「招魂社」が「護国神社」と改称し現在に至ります。

09 靖國神社には、どのような方々がおまつりされているのですか?

靖國神社には、明治維新以降、大東亜戦争(第二次世界大戦)までの間、戦時下において、国の命令により行動した結果、亡くなった246万6千あまりの戦歿者せんぼつしゃ(神社では「ご祭神ごさいじん」とお呼びしています)がおまつりされています。

あまり知られていませんが、坂本龍馬、吉田松陰、高杉晋作、橋本左内はしもとさないといった、歴史的に著名な維新の志士も、靖國神社におまつりされています。

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アメリカのペリーが黒船を率いて来航した嘉永かえい6(1853)年以降、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、大東亜戦争(第二次世界大戦)までの間、戦時下において、国の命令により行動した結果、亡くなった246万6千あまりの戦歿者(および明治維新の先駆けとなって亡くなった方々。神社では「国事殉難者こくじじゅんなんしゃ」と呼びます)をご祭神としておまつりしています。

246万6千余柱よはしらのご祭神のうち、約5万7千柱のご祭神が女性です。また、最も若いご祭神は数え年で2歳です。なお、当時日本国籍であった台湾・朝鮮半島出身の方々もおまつりされています。

靖國神社のご祭神の対象となるかどうかは、その方の生前の功績や、軍人であるかどうか、といった基準で決定されるものではありません。戦時下において、国の命令に基づいて行動した結果、亡くなったかどうかで決定されます。

たとえば、従軍看護婦として動員された沖縄のひめゆり学徒の女学生、樺太からふとで通信業務に従事していた真岡郵便電信局まおかゆうびんでんしんきょくの電話交換手の女性、沖縄から疎開する船で潜水艦の攻撃を受け亡くなった対馬丸つしままるの小学生のように、軍人ではない方々も数多くおまつりされています。

一方で、一般的に名を知られた軍人であっても、ご祭神とは限りません。たとえば東郷平八郎元帥は、日露戦争の後も長く生き、昭和9(1934)年に、戦争とは関わりのない病により亡くなりました。乃木希典のぎまれすけ大将も、日露戦争が終わってから年を経た大正元(1912)年に亡くなっています。おふたりとも、戦時下において国の命令により行動した結果として亡くなったわけではないため、ご祭神ではありません。

➡ Q10 どのようなプロセスでおまつりする人を決めているのですか?軍人しかおまつりしないのですか?

10 どのようなプロセスでおまつりする人を決めているのですか?軍人しかおまつりしないのですか?

靖國神社におまつりされているのは、軍人だけではありません。民間の方もおまつりされています。

共通しているのは、戦時下において、国の命令により行動した結果、亡くなったという点です。靖國神社が独自におまつりする方々を決めているわけではなく、国が定めた名簿に基づいておまつりしています。

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「靖國神社は軍人だけをおまつりしている」と思われがちですが、実際には246万6千余柱よはしらの中に多くの民間の方々、そして女性・子供も含まれています。

➡ Q9 靖國神社には、どのような方々がおまつりされているのですか?

こうした方々は軍人ではありませんが、戦時下において、国の命令により行動した結果、亡くなったことから、戦歿者せんぼつしゃと国に定められ、おまつりされています。

戦前は陸海軍が合祀ごうしの対象者の名簿を確定し、その名簿が靖國神社に送られてきました。戦後、陸海軍省が解体されたことにより、この事務は厚生省(現在の厚生労働省)に移管されています。

靖國神社のご祭神ごさいじんに共通しているのは、「軍人であること」ではなく、「国によって戦歿者として定められた方であること」ということです。

11 靖國神社は、国の施設なのですか?

明治2(1869)年の創建以来、他の神社同様、国が管理する神社でしたが、昭和21(1946)年に占領政策により国の管理を離れて、宗教法人となり、現在は宗教法人「靖國神社」が管理しています。

戦後、靖國神社を再び国の下に戻し、国が管理すべきだという声が、遺族や戦友をはじめとする多くの国民から上がり、国会でも長く話し合われてきました。この国民運動を「国家護持運動」と呼び、当時の成人人口の約28%に上る2千万筆の署名を集めるに至りました。

最終的にはこの国民運動は憲法の政教分離規定とのかかわりで頓挫し、現在は前述の通り、宗教法人「靖國神社」が管理しています。

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靖國神社は明治2(1869)年、政府により創建されて以来、国が管理を担っており、戦歿者せんぼつしゃの新たな合祀ごうしなども国により決定され、行われてきました。

➡ Q10 どのようなプロセスでおまつりする人を決めているのですか?軍人しかおまつりしないのですか?

昭和31(1956)年ごろから、国が責任をもって戦歿者の慰霊いれいと顕彰けんしょうを行い、靖國神社を護り支えるべきだという声が全国に広がりました。(国家護持運動)

こうした声を受けて、昭和44(1969)年から5回にわたり、靖國神社に関する法案が国会に提出されましたが、いずれも成立しませんでした。

➡ Q16 いわゆる「A級戦犯」と呼ばれる方がおまつりされているのはなぜですか?

➡ Q19 政治家が靖國神社にお参りすることは、憲法の政教分離に反しているのですか?

12 「靖國(やすくに)」とはどういう意味なのですか?

「靖國」の「靖(靖)」は「安」と同じ意味で、「国を安らかにする」という意味です。

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「やすくに」という言葉は、日本では古くから使われてきました。『日本書紀』には「日本は浦安国(やまとはうらやすのくに)」という日本の古い呼び名があり、また平安時代に編纂された『延喜式えんぎしき』には「豊葦原の瑞穂の国とよあしはらのみずほのくにを安国と平たいらけく知しろしめせ」という言葉が見られます。「やすくに」とは、国の平和な状態を示すとともに、永遠にその状態が続くようにとの願いが込められた、日本人にとって千年以上も使われてきたなじみ深い言葉なのです。

また、「大和(やまと)」「和の国(やまとのくに)」という日本の古い呼び名にもあるように、古くから世の中の平安や平和を願う考えが根付いていました。

13 靖國神社には、だれかのご遺骨があるのですか?

靖國神社は、遺骨が埋葬、安置されている場所ではありません。戦歿者せんぼつしゃ一人ひとりのお名前を記録し、そのみたまをおまつりしています。一人ひとりのお名前は霊璽簿奉安殿れいじぼほうあんでんに納められている霊璽簿れいじぼに記されています。

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日本では古くから、亡くなった方のみたまはこの世を離れてしまうのではなく、この国土にとどまり、子孫や社会を見守ってくださるという考え方があります。お盆にご先祖さまをお迎えしたり、お墓参りで近況を報告したりするのも、亡くなった方とのつながりが今も続いているという感覚があるからでしょう。とりわけ、国や地域のために力を尽くした方を神さまとしておまつりし、その地域や国の守り神とする文化が、日本には長く受け継がれてきました。

明治2(1869)年、国として最初の招魂祭しょうこんさいが神道の形式で行われたのも、こうした日本人の感じ方に沿ってのことでした。

靖國神社は、戦時下において国の命令により行動した結果、亡くなった方々のみたまを永久におまつりすることを目的に創建されました。

➡ Q9 靖國神社には、どのような方々がおまつりされているのですか?

14 空襲等で亡くなった一般の方々は、靖國神社におまつりされていないのですか?

空襲等で亡くなった方々のうち、戦時下において国の命令により行動した結果、亡くなった方は、靖國神社の本殿におまつりされています。

靖國神社の本殿におまつりされていない方々については、境内けいだいの鎮霊社ちんれいしゃにておまつりしています。

➡ Q9 靖國神社には、どのような方々がおまつりされているのですか?

➡ Q10 どのようなプロセスでおまつりする人を決めているのですか?軍人しかおまつりしないのですか?

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大東亜戦争(第二次世界大戦)下で亡くなった方々については、遺族援護法いぞくえんごほうや恩給法おんきゅうほう等の国の法律の適用を受けた方々がおまつりされています。

たとえば、原子爆弾が投下された際、国の命令によって医療業務に動員されていた長崎医科大学(現・長崎大学医学部)の学生や、建物疎開の作業に動員されていた広島・本川国民学校ほんかわこくみんがっこう(現・本川小学校。漫画『はだしのゲン』に登場する学校)の児童は、遺族援護法の適用を受け、本殿におまつりされています。

また、靖國神社の本殿におまつりされていない、戊辰戦争ぼしんせんそう以来のすべての戦争・事変で亡くなった日本の方々、および世界中の紛争・戦争で亡くなった全世界の方々に対して祈りを捧げる「鎮霊社」が境内にあります。毎日、神社の神職がお供物をそなえ、祈りを捧げています。毎年7月には例祭も行われています。

靖國神社のほか、それぞれの地域でも慰霊いれい碑等が建立こんりゅうされるなど、さまざまな形で過去の記憶と平和への想いをつないでいます。

15 「英霊を顕彰する」とはどういうことですか?

靖國神社では、戦歿者せんぼつしゃお一人おひとりのお名前と、いつ・どこで、どのような立場で亡くなったかという記録を残しています。その方々が最も大切な命をかけたということを、お一人おひとりのお名前とともに、未来の世代へ絶やすことなく伝えることが、靖國神社における「顕彰けんしょう」です。

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「英霊えいれい」の「英」は「優れた」という意味の言葉です。もともとは亡くなった方のみたまを敬って呼ぶ一般的な言葉で、明治時代以降、戦歿者を「英霊」とお呼びするようになりました。

「顕彰」とは、最も大切な一つしかない命を自分の大切な人や国のために失ったという事実を、お名前とともに残し、未来の世代へ絶やすことなく伝えていくことです。戦いの勝ち負けや、その方が立てた武功の大小によるものではありません。

自分の大切な人や国のために命を失った方々へ、国家として感謝と敬意を表す場を設けるという考え方は、日本に限ったことではありません。アメリカのアーリントン国立墓地、イギリスの戦歿者記念碑せんぼつしゃきねんひ、フランスの凱旋門がいせんもんにおける無名戦士の墓など、世界各国に同様の場所があります。

二度と戦争が起こらないよう平和を願うことと、今日の穏やかな日本のために命をかけた人々を顕彰し、未来の世代にその記憶をつないでいくことは、矛盾しているものではありません。

16 いわゆる「A級戦犯」と呼ばれる方がおまつりされているのはなぜですか?

極東国際軍事裁判(東京裁判)に関わって亡くなった14名のA級被告の方々も、国が定めた名簿において戦歿者せんぼつしゃと定められているからです。

靖國神社では、生前の立場や任務の内容にかかわりなく、「戦時下において、国の命令により行動した結果、亡くなった」という事実に対して、斉ひとしくおまつりしています。

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日本政府は、極東国際軍事裁判(東京裁判)をはじめとする戦勝国側による軍事裁判(以下、「軍事裁判」)において亡くなったことを「法務死ほうむし」と呼び、犯罪者として亡くなったのではないことを明示しています。これに伴い、法務死された方々は、恩給法おんきゅうほうおよび遺族援護法いぞくえんごほうにおいて、一般の戦歿者と同等の扱いを受けています。

また、毎年8月15日に行われる全国戦没者追悼式においても、法務死された方々は、慰霊いれいの対象に含まれています。

主権を回復した昭和27(1952)年以降、軍事裁判の結果服役中の方々の釈放を求める国会での決議が、党派をこえて複数回採択されました。全国でも釈放を求める約4千万筆にのぼる署名が集まり、昭和33(1958)年までに、服役中の方々はすべて釈放されています。

靖國神社では、昭和34(1959)年から、国から届いた名簿に基づき、軍事裁判に関わって亡くなった方々を順次おまつりしてきました。昭和41(1966)年には、14名のA級被告の方々の名簿も国から神社のもとに届きました。

➡ Q10 どのようなプロセスでおまつりする人を決めているのですか?軍人しかおまつりしないのですか?

この時期は、靖國神社を国の管理下に戻そうという国民運動(国家護持運動)が続いていた時期にあたります。その運動への影響を考慮し、14名のA級被告の方々の合祀ごうしの時期を慎重に検討しました。

➡ Q11 靖國神社は、国の施設なのですか?

最終的には、国家護持法案が昭和49(1974)年に成立しないまま、国家護持運動は頓挫しました。これを受けて、既に昭和41(1966)年に国から届いていた名簿に基づき、昭和53(1978)年に「戦時下において、国の命令により行動した結果、亡くなった」という事実に対して、14柱のA級被告の方々をおまつりしました。

なお、靖國神社では法務死された方々を「昭和殉難者しょうわじゅんなんしゃ」とお呼びしています。

「A級」「B級」「C級」は、極東国際軍事裁判(東京裁判)で起訴内容を分類するために用いられた区分で、その内容に序列をつけるものではなく、種別を意味しています。

このように、条例の英文では a・b・c、日本語訳では(イ)(ロ)(ハ)と項目が分けられているだけで、「級」という言葉は使われていません。

「A級」が最も重い罪という理解は、事実とは異なります。

17 「平和の社」という言葉には、どのような想いが込められているのですか?

靖國神社の神さまは、平和を願いつつ、戦時下において国の命令により行動した結果、亡くなった方々です。そうした方々をおまつりしている神社です。

今の平和な時に感謝し、この平和を未来へつないでいくために何ができるのだろうと考える場所でもありたいと願っています。

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靖國神社のご祭神ごさいじんには、私たちのお祖父さまやお祖母さま、ひいお祖父さまやひいお祖母さまの世代の方々もいらっしゃり、私たちにとって身近な存在です。また、150年を超える歴史の中で、少し遠い血縁の方や、同じ共同体の中のお一人として、必ずどこかでつながりがあります。

靖國神社が「平和の社」として大切にしているのは、そうした方々への感謝を胸に、今あるこの平和は当たり前ではないと心に留め、この平和を未来へとつないでいこうと想いを巡らせることです。

➡ Q15 「英霊えいれいを顕彰けんしょうする」とはどういうことですか?

18 靖國神社にお参りするとは、どういうことですか?

靖國神社にお参りすることは、かつて戦時下において国の命令により行動し、亡くなった方々に「ありがとうございます」と感謝の気持ちと敬意を伝え、今後の国の平和や家族や個人の平安を祈ることです。

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「平和な世の中が続いてほしい」「大切な人が生きていく世界がこれからも平和でありますように」。そうした想いは、誰もが持っているものではないでしょうか。

靖國神社におまつりされているご祭神ごさいじんもまた、同じ想いを抱きながら、時代の中で力を尽くされました。そのご祭神に静かに手を合わせ、今ある平和に想いを巡らせる。靖國神社へのお参りとは、そういう時間を過ごしていただくことだと考えています。

➡ Q15 「英霊えいれいを顕彰けんしょうする」とはどういうことですか?

➡ Q24 私たちは靖國神社にどのような時に来ればいいのですか?また、どのように過ごし、何を祈ればいいのですか?

19 政治家が靖國神社にお参りすることは、憲法の政教分離に反しているのですか?

国や政府関係者などが、国のために亡くなった方々へ感謝と敬意をあらわすことは、政教分離に反することのない、社会的な儀礼とされています。

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日本国憲法で定める「政教分離」とは、国が特定の宗教に深くかかわることを防ぐことが目的であり、社会的・文化的な範囲に収まり、宗教を助長または干渉するものでなければ構わないとされています。

また、神道は古来より日本人の暮らしに深く根ざしてきた文化・習俗でもあります。たとえば、日本人は古くから、自然やあらゆるものに神さまが宿ると考えておまつりを行い、祖先を敬ってきました。

戦時下において国の命令により行動した結果、亡くなった方々へ、国家として感謝と敬意を表す場を設けるという考え方は、アメリカのアーリントン国立墓地、イギリスの戦歿者記念碑せんぼつしゃきねんひ、フランスの無名戦士の墓など、日本に限らず世界共通のものです。

➡ Q15 「英霊えいれいを顕彰けんしょうする」とはどういうことですか?

20 靖國神社への参拝に対して、外国から批判があると聞きます。それについて、靖國神社はどのように考えていますか?

靖國神社へ首相や閣僚が参拝することや、例大祭れいたいさいでの真榊奉納まさかきほうのうなどに対して、一部の国から批判があるとの報道は承知していますが、国のために亡くなった方に対して、感謝と敬意を示すことは、国や立場を超えた、自然な行為です。

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各国の首脳が互いの戦歿者慰霊施設せんぼつしゃいれいしせつを訪れることは、今も日常的に行われています。戦時下でお互いどのような立場にあったかは関係なく、それぞれの国のために亡くなった方々に敬意を示すのは、世界では当然のこととされています。

21 遊就館というミュージアムは独自の歴史観を示している施設だと聞いたことがありますが、実際はどのような場所ですか?

遊就館ゆうしゅうかんは、靖國神社におまつりされている方々の遺品や遺書を展示しており、その方々の存在を身近に感じていただくための施設です。歴史展示は遺品の背景を理解するための補足であり、当時の方々の想いをできるだけそのままに伝えることを大切にしています。現代の価値観にとらわれることなく、当時の人々はどのような想いでいたのかを体感していただける場所です。

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遊就館の展示は、歴史の評価をするものではなく、ご祭神ごさいじんお一人おひとりの存在をより身近に感じていただくことを目的としています。遺書、遺影、遺品などを実際に見ることによってその時代の人の気持ちや思いやりのある姿を理解し、教科書の中の出来事ではなく、自分と同じように生きていたのだ、ということを実感できるのではないかと考えています。

今後もご祭神のことをより多くの方にわかりやすくお伝えできるよう、展示内容などを工夫してまいります。

22 自衛隊の隊員が亡くなった場合、靖國神社におまつりされているのですか?

現在のところ、明治維新以降大東亜戦争(第二次世界大戦)までの「戦歿者せんぼつしゃ」が靖國神社のご祭神ごさいじんとしておまつりされており、公務殉職の自衛官はおまつりされていません。

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靖國神社におまつりされる対象は、国が戦歿者と定めた方であり、現在は明治維新から大東亜戦争(第二次世界大戦)までの方々となります。

したがって、現在までに災害派遣や訓練中の事故などの公務中に亡くなった自衛官はおまつりされていません。

23 ご遺族や戦友の皆さんは、お墓参りのような気持ちでお参りしていたと聞きますが、今はそのような方はほとんどいません。戦争を知る人がいなくなる将来、靖國神社はどのような役割を果たすのですか?

大東亜戦争(第二次世界大戦)を直接知る方がいなくなっても、国のために亡くなった方々のことを忘れず、敬意と感謝を伝え続けるという変わらぬ役割に加えて、今ある平和な時を次の世代へつないでいくこと。それが、靖國神社の役割だと考えています。

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靖國神社におまつりされているのは、大東亜戦争(第二次世界大戦)の戦歿者せんぼつしゃだけではありません。明治維新以来、戦時下において国の命令により行動した結果、亡くなった方々がおまつりされています。

靖國神社のご祭神ごさいじんはそれぞれお名前が明らかになっており、246万6千余柱よはしらいらっしゃいます。皆さんのご親戚を遡っていくと、ご祭神とどこかでつながっている可能性が高いということでもあります。

靖國神社のご祭神は、遠い歴史の中の誰かではなく、皆さんにとって本当に身近な方々です。そうした方々とのつながりを感じ、平和について想いを巡らせ、その平和を未来へつないでいこうと思っていただける場所でありたいと考えています。

大東亜戦争(第二次世界大戦)に対する全国戦没者追悼式は年に一度ですが、靖國神社では明治維新から大東亜戦争(第二次世界大戦)までのご祭神に対し、毎日の祭典を欠かすことなく続けています。戦争を直接に知る方がいなくなるからこそ、日々途切れることなく敬意と感謝を伝え続ける場所が必要だと考えています。

➡ Q17 「平和の社」という言葉には、どのような想いが込められているのですか?

24 私たちは靖國神社にどのような時に来ればいいのですか?また、どのように過ごし、何を祈ればいいのですか?

いつでも、どなたでもお参りいただけます。

靖國神社には平和を願い力を尽くされた246万6千あまりの方々が神さまとしておまつりされています。毎日が神さまに所縁ゆかりある日(ご命日など)であり、神さまとなられた方々の努力があって今の平和な日本があることに感謝するお気持ちで、お参りされる方が多くいらっしゃいます。

なお、靖國神社にとって最も大切な日は、春と秋の例大祭れいたいさい(4月・10月)です。天皇陛下のお遣いである勅使ちょくしをお迎えする、年に二度のお祭りです。そうした日にあわせてお参りされるのもよいですし、もちろん、どのような日にお越しいただいても構いません。

➡ Q23 戦争を知る人がいなくなる将来、靖國神社はどのような役割を果たすのですか?

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靖國神社では、毎日変わることなく祈りがささげられています。

春秋の例大祭、7月のみたままつり、8月15日の終戦の日には多くの方がお越しになりますが、それ以外の日にも、散歩の途中やお仕事の合間に立ち寄られても構いません。

境内けいだいのお賽銭箱さいせんばこの前でのお参りに加えて、本殿での参拝(正式参拝)もできます。正式参拝では、お祓いを受け、神職のご案内のもと、ご祭神ごさいじんの間近で手を合わせることができます。

靖國神社のご祭神は、神社の神さまとしておまつりされていますので、初宮詣はつみやもうでや七五三詣しちごさんもうで、厄除やくよけなど人生儀礼のお参りにも多くの方がお越しになります。こうした人生の節目のお参りができるのも、今の日本の平和があってこそです。

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