母からの便りで、父の変わりないことを知った神野伍長。同封した自身の写真については、「可愛いゝ息子の寫眞ですから大切にしまつて置いて下さい。」と記し、写真の中で手にしている軍刀も「只し持つた刀は勿論借り物ですから其の点悪しからず。」との言葉からは、遠く離れていても、家族に心配をかけまいとする筆づかいが感じられます。
筆はやがて間近に迫った前線へと移ります。「生還は期して居りません」「御世話に成りつぱなしですが御許し下さい。」──家族の健康を神仏に祈り、自らが「立派な働」ができるように見ていてほしいと願う言葉が続きます。